炎症性腸疾患-ファーストタッチから長期マネジメントまで
炎症性腸疾患の病態を疾患感受性遺伝子から紐解く
角田 洋一
1
,
遠藤 克哉
,
志賀 永嗣
,
木内 喜孝
,
下瀬川 徹
1東北大学病院 消化器内科
キーワード:
Crohn病
,
炎症性腸疾患
,
大腸炎-潰瘍性
,
自然免疫
,
遺伝的素因(疾患)
,
遺伝学的検査
,
獲得免疫
Keyword:
Crohn Disease
,
Colitis, Ulcerative
,
Immunity, Innate
,
Genetic Testing
,
Inflammatory Bowel Diseases
,
Genetic Predisposition to Disease
,
Adaptive Immunity
pp.547-551
発行日 2015年10月1日
Published Date 2015/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2016019440
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炎症性腸疾患を含む疾患感受性遺伝子解析は,この15年で劇的に進歩した.感受性遺伝子解析から,粘膜バリア異常,腸内細菌などの病原体排除機能にかかわる自然免疫の異常,獲得免疫系の異常が遺伝的背景として明らかになった.腸内細菌叢などに対する異常な免疫反応が,環境要因の影響を受けながら炎症性腸疾患の病態を形成していると予想される.これまでの遺伝子解析は,このようなCrohn病と潰瘍性大腸炎に共通する大きな病因を見出すのに有用であった.一方で,患者ごとに病態はさまざまであり,今後はこれまでの疾患分類にとらわれず,臨床的に問題となる病態に注目し,治療に直結するような個別の遺伝的背景を明らかにしていく必要がある.
©Nankodo Co., Ltd., 2015