発行日 2015年8月1日
Published Date 2015/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2015339722
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症例は26歳女性で、急性間欠性ポルフィリン症(AIP)の家族歴があったため幼少時にAIPの遺伝子診断が確定していた。とくに誘因なく下腹部痛が出現した。超音波検査にて卵巣腫大を指摘された。AIPの遺伝子診断が確定しており、各種画像検査や血液検査所見より腹痛をきたす器質的疾患が否定的であることからAIPによる腹部急性症状を疑った。グルコースの点滴およびシメチジン静注、クロルプロマジンの内服を開始した。疼痛時には塩酸モルヒネを投与した。しかし、腹痛や嘔気、便秘が続いていたため、ヘミン製剤を投与した。尿中ポルフィリン代謝産物とアミラーゼ、肝腎機能はヘミン製剤の投与後より症状の改善とともに正常化した。退院後1年時点でAIP発作の再燃はない。
©Nankodo Co., Ltd., 2015