一般内科診療で役立つうつ病の知識-こころの問題にどう対処するか 各領域におけるうつ病の診かた
内分泌・代謝内科領域
野崎 剛弘
1
,
中島 めぐみ
,
澤本 良子
,
小牧 元
,
須藤 信行
1九州大学 大学院医学研究院心身医学
キーワード:
睡眠時無呼吸症候群
,
うつ病
,
抗うつ剤
,
鑑別診断
,
糖尿病
,
認知療法
,
肥満
Keyword:
Antidepressive Agents
,
Diagnosis, Differential
,
Depressive Disorder
,
Diabetes Mellitus
,
Obesity
,
Sleep Apnea Syndromes
,
Cognitive Therapy
pp.229-234
発行日 2015年2月1日
Published Date 2015/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2015095428
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糖尿病や肥満はうつ病と併存しやすく,双方向の因果関係にある.糖尿病治療では生活習慣の変更を余儀なくされ,さらに合併症の進展などが心理的・身体的苦痛となり,うつ病の発症につながる.肥満患者は,社会的偏見や体形に対する劣等感から自己評価が低下し,うつ病の発症につながりやすい.食欲や睡眠に関する身体症状を手掛かりに,抑うつ気分や興味の減退がないかを問うことが,うつ病の発見に役立つ.非定型うつ病は,抑うつや不安に反応した過食を伴う.うつ病の治療は,薬物療法と並んで認知行動療法などの心理療法も有効である.内分泌疾患ではホルモンの過不足が原因でうつ症状が出現しやすいが,ホルモン値が正常化後もうつ症状が残存する例がある.
©Nankodo Co., Ltd., 2015