一般内科診療で役立つうつ病の知識-こころの問題にどう対処するか 各領域におけるうつ病の診かた
リウマチ内科領域
西村 勝治
1
1東京女子医科大学 医学部精神医学教室
キーワード:
Steroids
,
うつ病
,
抗うつ剤
,
抗炎症剤
,
鑑別診断
,
精神療法
,
発生率
,
電気けいれん療法
,
ループス血管炎-中枢神経系
Keyword:
Anti-Inflammatory Agents
,
Antidepressive Agents
,
Diagnosis, Differential
,
Depressive Disorder
,
Electroconvulsive Therapy
,
Psychotherapy
,
Steroids
,
Incidence
,
Lupus Vasculitis, Central Nervous System
pp.221-224
発行日 2015年2月1日
Published Date 2015/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2015095426
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SLE患者にもっとも頻繁にみられる精神障害はうつ病である.精神病性障害や急性錯乱状態(せん妄)に比べて,うつ病が神経精神ループス(NPSLE)である割合は低い.しかし自殺のリスク,妄想などの精神病症状,認知機能障害を伴う重症のうつ病に対しては積極的にNPSLEを疑い,精査を行う.NPSLEの危険因子((1)SLEの疾患活動性の亢進,(2)NPSLEの既往歴やほかのNPSLE症状の併存,(3)抗リン脂質抗体陽性)があればなおさらである.ステロイドによるうつ病との鑑別は難しいが,一般にステロイドの急性・高用量投与時にはうつ病よりも躁病・混合性エピソードが多く,用量依存性である.SLEのうつ病治療には適宜,精神科医との連携が欠かせない.
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