発行日 2014年11月1日
Published Date 2014/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2015042042
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76歳男。褐色尿を主訴とした。定期受診の際、ビリルビン尿を指摘され、黄疽を伴う高度肝機能異常を認め、精査目的で入院となった。血液検査にてトランスアミナーゼ優位の肝障害を認め、抗核抗体は1280倍と高値で、抗セントロメア抗体も陽性であった。腹部エコー検査では門脈域の肥厚を認め、腹部造影CT検査では、肝内でグリソン鞘の浮腫性変化とperiportal collar signを認めた。また、総胆管は軽度拡張し、十二指腸乳頭部直上に径4mmの総胆管結石を認めた。胆管検査にて結石は認めず、自然落石と考えた。臨床経過から閉塞性黄疸は否定的であった。抗核抗体に対し肝生検を施行したところ、interface hepatitis、emperipolesis、rosette formationの所見を認め、自己免疫性肝炎(AIH)に典型的な組織像と考えた。さらに、血液検査にてHLA-DR4陽性が判明した。prednisoloneの投薬を開始したところ、肝機能の検査成績は改善し、再燃は認めなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2014