高齢者の感染症はこう診る-外来・病棟から在宅まで 診療の場ごとの感染症への対応
高齢者の外来感染症診療,それはジェネラリストの腕の見せ所
日比野 将也
1
,
山中 克郎
1藤田保健衛生大学 救急総合内科
キーワード:
感染
,
抗細菌剤
,
病歴聴取
,
理学的検査
,
外来診療
Keyword:
Ambulatory Care
,
Anti-Bacterial Agents
,
Infection
,
Medical History Taking
,
Physical Examination
pp.805-808
発行日 2014年11月1日
Published Date 2014/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2015016029
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外来での診療は病棟でのそれと比較して(1)診療に長く時間がかけられない,(2)物的・人的リソースが限られている,という制約がある.しかも高齢者は典型的な症状を呈しにくい場面があり,訴えもはっきりしないことがある.このような限られた状況のなかで,的確に判断を下して治療を行うのは至難の技である.病歴聴取では,非典型的症状を呈することを念頭に置きつつ,家族や介護者を巻き込んで効果的に問診を行い,ADLや基礎疾患,常用薬などの背景も踏まえて患者を捉えることが鍵である.リソースが限られた外来,とくに診療所や小中規模病院ではバイタルサイン,身体診察によって疾患に迫ることができるスキルが必要で,clinical prediction ruleは利用すべき有用なツールである.治療では敗血症などの重症例を的確に判別し,外来通院か入院治療かの判断がもっとも重要で,経口抗菌薬はバイオアベイラビリティ,相互作用などを意識する必要がある.
©Nankodo Co., Ltd., 2014