変わりゆくリンパ腫の診断と治療-一般外来での初発症状から最新治療まで リンパ腫の診断
リンパ節腫脹の鑑別診断
石澤 賢一
1
1山形大学 大学院医学系研究科血液・細胞治療内科学講座
キーワード:
感染
,
胸部X線診断
,
血清学的検査
,
自己免疫疾患
,
腫瘍
,
鑑別診断
,
生検
,
病歴聴取
,
リンパ系疾患
,
腫脹
,
外来診療
,
血液像
Keyword:
Autoimmune Diseases
,
Ambulatory Care
,
Biopsy
,
Diagnosis, Differential
,
Infection
,
Medical History Taking
,
Lymphatic Diseases
,
Neoplasms
,
Radiography, Thoracic
,
Serologic Tests
pp.1285-1289
発行日 2016年6月1日
Published Date 2016/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2016244768
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
リンパ節腫脹の原因として,感染症,自己免疫疾患,過敏反応,悪性腫瘍がある.高齢になるに従い悪性腫瘍の頻度が増加するため,年齢は鑑別の重要な因子である.医療面接では,感染徴候・全身症状の有無,リンパ節腫脹持続期間,生活歴,既往歴,服薬歴がポイントである.腫脹持続期間が2週間未満では反応性,4週間以上の場合は悪性腫瘍を考慮する.腫脹リンパ節の性状では,反応性は圧痛があり,リンパ腫では圧痛がなく表面平滑で可動性良好,がんの転移では硬く表面不整で可動性不良である.腫脹リンパ節の長径が1.5~2.0cm以上の場合,悪性疾患を考慮しなければならない.鎖骨上リンパ節,縦隔リンパ節腫脹は,他部位と比較して悪性の頻度が高い.急速な腫脹リンパ節の増大,LDHの持続的な上昇,末梢血中に芽球が認められた場合,速やかな専門医への紹介が必要である.
©Nankodo Co., Ltd., 2016