高齢者の感染症はこう診る-外来・病棟から在宅まで
高齢者の抗菌薬治療の注意点 用法・用量の設定は? 副作用リスクの高い薬剤は?
小野寺 直人
1
1岩手医科大学附属病院 医療安全管理部感染症対策室
キーワード:
感染
,
抗細菌剤
,
腎機能検査
,
生体内変化
,
組織内分布
,
投薬計画
,
Fluoroquinolones
Keyword:
Biotransformation
,
Anti-Bacterial Agents
,
Drug Administration Schedule
,
Infection
,
Kidney Function Tests
,
Tissue Distribution
,
Fluoroquinolones
pp.809-813
発行日 2014年11月1日
Published Date 2014/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2015016030
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加齢によって生理機能が低下している高齢者の抗菌薬の用量設定では,的確に腎機能を評価し,抗菌薬の特性に合わせた維持投与量,投与間隔を設定する.PK-PD理論に基づいて投与設計されるべきで,用量依存的に腎障害を起こすアミノグリコシド系薬やグリコペプチド系薬については治療薬物濃度モニタリング(TDM)が必須である.呼吸器感染症や尿路感染症で汎用されるフルオロキノロン系薬の副作用には,高齢者で気を付けるべき痙攣や血糖降下作用,QT延長などがあげられるが,その発生頻度等は各薬剤で異なる.高齢者の抗菌薬治療においては,使用上の注意点を理解して使用するとともに,腎機能への配慮と使用中の注意深い副作用モニタリングが重要である.
©Nankodo Co., Ltd., 2014