発行日 2014年8月1日
Published Date 2014/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2014391194
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75歳男。慢性便秘の増悪、食思不振があり、体動困難にて救急搬送された。意識清明で麻痺はなかったが、発語や動作が緩慢で、顔面・四肢に浮腫、また難聴を認めた。貧血(Hb7.8g/dL)があったが、頻脈ではなく、クレアチンホスホキナーゼ値および総コレステロール値が上昇しており、血液検査・甲状腺エコー所見より慢性甲状腺炎と診断した。なお、5年前に大腸腺腫内腺癌の既往があり、入院時のCEA値が22.6ng/mLと高値であったことから消化器悪性腫瘍が疑われたが、頸動脈エコー・冠動脈造影で両側内頸動脈および冠動脈の高度狭窄が判明し、消化管精査は行わなかった。levothyroxineによる甲状腺ホルモン補充療法を開始したところ、症状は軽快し、CEA値は徐々に低下して3ヵ月後に正常化し、更に甲状腺機能やクレアチンホスホキナーゼ値、総コレステロール値も正常化した。
©Nankodo Co., Ltd., 2014