発行日 2014年7月1日
Published Date 2014/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2014262313
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58歳男。慢性膵炎にて経過観察していたが、全身倦怠感が増悪し、腹部CT検査で膵臓のびまん性の腫大を認めた。心窩部の鈍痛があり、血液検査ではIgG4上昇、糖尿病、インスリン分泌能の低下を示し、甲状腺機能亢進症と抗TSH受容体抗体陽性を認めたため、Basedow病と診断した。内視鏡的逆行性胆管膵管造影、腹部MRI検査では主膵管の不整狭窄を認め、超音波内視鏡下穿刺生検法にて膵生検を行うもIgG4陽性細胞や悪性細胞の出現は認めなかった。びまん性の膵腫大と主膵管の不整狭窄、血中IgG4高値などから自己免疫性膵炎のびまん型の疑診と診断してprednisoloneを開始したところ、膵腫大とIgG4が改善傾向を示し、臨床的に自己免疫性膵炎と考えた。
©Nankodo Co., Ltd., 2014