発行日 2006年3月1日
Published Date 2006/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2006133263
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62歳女性.患者は心窩部痛を主訴に近医を受診,肝機能異常と膵臓の腫大を指摘され,著者らの施設へ紹介入院となった.入院時,肝胆道系酵素,γグロブリン分画の上昇,血清IgG分画の上昇,血糖値の上昇,尿中Cペプチドの減少を認めた.腹部超音波,CTでは膵全体の腫大と膵周囲の脂肪織の濃度上昇を認め,ERCPでは主膵管の2/3程度にわたる狭窄像を認めた.以上より,自己免疫膵炎と診断し,PSL投与を40mg/日より開始し,最終的に5mg/日で維持した.以後,寛解が得られたが,症状の再燃を認め,PSL投与を40mg/日に増量した.また,閉塞性黄疸を認めたため,ENBDチューブを挿入し減黄を図った.減黄は速やかに行われ,症状は改善し,1年経過現在,再発はみられていない
©Nankodo Co., Ltd., 2006