発行日 2014年4月1日
Published Date 2014/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2014177019
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69歳女。既往として22歳と24歳時にバラ色疹で光線療法、26歳時に甲状腺腫で甲状腺部分切除が行われた。今回、右視力の低下があり、ぶどう膜炎所見がみられた。また、胸部X線では肺門部リンパ節腫脹が認められ、サルコイドーシスが疑われたたが、ツベルクリン反応は陰性で、軽度のTSHの上昇を認められるも甲状腺機能低下症はみられなかった。一方、血清ACE値および血清リゾチームの上昇やIgMの著明な低下、sm-IgMの著明な上昇のほか、造影CTでは縦隔および肺門部に腫大したリンパ節が散見され、ガリウムシンチグラムでは肺門部および脾臓に異常(最大径約37mm)集積が認められた。以上より、本症例は臨床的にサルコイドーシスと診断され、更にIgMの持続的低下、その他の免疫グロブリンの低下が認められないことより選択的IgM欠損症と診断された。尚、目下は無治療で経過観察中である。
©Nankodo Co., Ltd., 2014