これだけは知っておきたい! 内科医のための神経疾患診療 症候からのアプローチ 診断のコツと初期治療,専門医への紹介のタイミング
もの忘れ,記憶障害
杉本 あずさ
1
,
森 友紀子
,
河村 満
1昭和大学 医学部内科学講座神経内科学部門
キーワード:
医師
,
記憶障害
,
神経病学
,
鑑別診断
,
心理検査
,
病歴聴取
,
プライマリヘルスケア
,
紹介と相談
,
軽度認知障害
,
タイミング
Keyword:
Diagnosis, Differential
,
Memory Disorders
,
Medical History Taking
,
Neurology
,
Psychological Tests
,
Physicians
,
Primary Health Care
,
Referral and Consultation
,
Cognitive Dysfunction
pp.853-855
発行日 2014年5月1日
Published Date 2014/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2014162839
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生理的なもの忘れは加齢現象であり,病的なもの忘れは症状としての記憶障害のことである.記憶障害とは,記憶の記銘・保持・再生のいずれか,あるいは複数の障害である.生理的もの忘れは進行が緩徐で連続的だが,病的もの忘れは急速に進行し,日内・日差変動があり,記憶障害以外の症状を伴い,病識がないことが多い.もの忘れの検査として,一般的な問診や身体診察の他に,神経心理学的検査や血液検査が役立つ.もの忘れを訴えて受診した場合,病的もの忘れとの鑑別が難しいもの,治療に迷うものは専門外来に紹介すべきである.
©Nankodo Co., Ltd., 2014