ネフローゼ症候群 診療の新たな潮流 診断から治療まで
ネフローゼ症候群患者の紹介・逆紹介のタイミング
孫 大輔
1
1東京大学大学院医学系研究科医学教育国際研究センター
キーワード:
ネフローゼ症候群
,
医師
,
プライマリケア医
,
検尿
,
糸球体腎炎-膜性
,
腎臓病学
,
専門職間人間関係
,
糖尿病性腎症
,
病歴聴取
,
プライマリヘルスケア
,
紹介と相談
Keyword:
Diabetic Nephropathies
,
Medical History Taking
,
Interprofessional Relations
,
Nephrology
,
Nephrotic Syndrome
,
Physicians
,
Primary Health Care
,
Referral and Consultation
,
Glomerulonephritis, Membranous
,
Urinalysis
,
Physicians, Primary Care
pp.673-676
発行日 2013年10月1日
Published Date 2013/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2013356240
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多量の蛋白尿(2+以上の蛋白尿)は腎臓専門医に速やかに紹介する.尿定量をしていなくてもネフローゼ症候群「疑い」の時点で紹介する.血尿を伴う蛋白尿の患者は腎臓専門医に紹介する.病歴聴取においては既往歴,家族歴,生活習慣,服薬歴(とくにNSAIDs)に留意する.プライマリケアで多い原疾患は糖尿病性腎症と膜性腎症である.とくに生活習慣病の増加に伴って二次性ネフローゼ症候群が増加してきている.高齢者のネフローゼ症候群では必ずしも浮腫がみられないので注意が必要である.逆紹介後のフォローアップでは,食事療法・生活指導,血糖・血圧のコントロール,ACE阻害薬・ARBの使用などによるCKD進行抑制が重要である.
©Nankodo Co., Ltd., 2013