発行日 2016年8月1日
Published Date 2016/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2016356572
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症例は75歳女性で、67歳時に胸やけを自覚し、食道裂孔ヘルニアと逆流性食道炎の診断でラベプラゾールが処方された。約1年前から仰臥位で寝ているとき、咳嗽を自覚した。3週間前から、次第に呼吸困難が出現し、増強してきた。胸部単純X線像では、両側び漫性、中下肺野優位にスリガラス影を認めた。HRCT像では、特発性肺線維症(IPF)の急性増悪が考えられた。また、大きな食道裂孔ヘルニアを認めた。IPFの急性増悪に対してステロイドパルス療法、ランソプラゾールの点滴静注を行い、ベッド上では頭部挙上を勧めた。パルス療法終了後、引き続きプレドニゾロンを漸減投与した。第11病日の肺機能検査では閉塞性障害と拡散障害を認めた。第19病日に退院した。第26病日のHRCT像では両側肺のスリガラス影の濃度は低下した。労作時に呼吸困難なく、主婦としての日常生活に復帰した。
©Nankodo Co., Ltd., 2016