虚血性心疾患の最近の話題 虚血を見逃さない臨床から分子生物学まで
心筋梗塞の遺伝的リスクファクター
尾崎 浩一
1
,
田中 敏博
1理化学研究所横浜研究所 ゲノム医科学研究センター循環器疾患研究チーム
キーワード:
Lymphotoxin-Alpha
,
遺伝子頻度
,
環境曝露
,
冠状動脈硬化症
,
危険因子
,
心筋梗塞
,
動脈硬化症-アテローム性
,
ヒトゲノム
,
SNPs
,
遺伝的素因(疾患)
,
Galectin-2
,
遺伝学的データベース
,
ゲノムワイド関連解析
,
BRAP Protein
Keyword:
Coronary Artery Disease
,
Environmental Exposure
,
Gene Frequency
,
Lymphotoxin-alpha
,
Myocardial Infarction
,
Risk Factors
,
Genome, Human
,
Polymorphism, Single Nucleotide
,
Genetic Predisposition to Disease
,
Databases, Genetic
,
Galectin 2
,
Atherosclerosis
,
Genome-Wide Association Study
,
BRAP Protein, Human
pp.514-520
発行日 2010年9月1日
Published Date 2010/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2010305923
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
心筋梗塞をはじめとする虚血性心疾患の発症には、環境因子と遺伝的要因が複雑に関係していると考えられる。世界ではじめて一塩基多型を用いた心筋梗塞の全ゲノム関連解析を施行し、リンホトキシン-αが疾患関連分子であることを同定した。また、この一連のカスケードを分子生物、ゲノム疫学的手法により精査することにより、さらなる炎症関連分子群が疾患に関係することを見出してきた。疾患の遺伝的要因を知ることは根本的な疾患発症のメカニズムを解明できるのみならず、将来的には遺伝的要因と環境要因の有無を組み合わせることにより、虚血性心疾患の発症、再発の予知・予防に役立てることができると考えられる。
©Nankodo Co., Ltd., 2010