最後までよい人生を支えるには 多死時代の終末期医療 終末期の意思決定を支えるには それぞれの立場から
医療倫理の立場から
会田 薫子
1
1東京大学 大学院人文社会系研究科死生学・応用倫理センター上廣講座
キーワード:
意思決定
,
医の倫理
,
死への態度
,
ターミナルケア
,
患者の権利擁護
,
患者の満足度
,
個人の自律性
,
価値観
Keyword:
Attitude to Death
,
Decision Making
,
Ethics, Medical
,
Patient Advocacy
,
Terminal Care
,
Patient Satisfaction
,
Personal Autonomy
pp.1357-1361
発行日 2013年12月1日
Published Date 2013/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2014056524
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米国由来の「自己決定」と「自律尊重」は,歴史的文化的背景の異なる日本社会では異なる意味をもつ.発せられた言葉は関係性に依存する.日本社会におけるコミュニケーションでは,言語化されたことは「気持ちの何らかの表現」であり,意思そのものではないことが少なくない.患者にとっての最善を探るためには患者の人生の物語りを知る必要がある.生命維持治療の是非は本人の価値観・死生観による.医療者には患者にとっての最善をめぐって患者・家族らとともに考え,悩みながら,納得できる合意形成にいたる努力をすることが求められている.これが臨床倫理の要諦である.
©Nankodo Co., Ltd., 2013