ネフローゼ症候群 診療の新たな潮流
ネフローゼ症候群の疫学
横山 仁
1
1金沢医科大学 腎臓内科
キーワード:
ネフローゼ症候群
,
糸球体腎炎-膜性
,
疫学的研究
,
登録
Keyword:
Nephrotic Syndrome
,
Registries
,
Glomerulonephritis, Membranous
,
Epidemiologic Studies
pp.649-654
発行日 2013年10月1日
Published Date 2013/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2013356236
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わが国の高齢化率が上昇しつつある中で,成人ネフローゼ症候群2,753例中1,160例(42.1%)を高齢者が占めている.若年では微小変化型ネフローゼ症候群を主体とする一次性が主であり,40歳未満ではその77.0~67.4%を占めている.年齢が進むにつれて二次性の比率が増加し,30歳代ではループス腎炎の比率が大きく,40歳代以後では糖尿病性腎症あるいは腎アミロイドーシスが増加する.高齢者では,IgA腎症を含む一次性が61.9%を占めるが,とくに膜性腎症が36.5%であり,次いで糖尿病性腎症(9.9%),アミロイド腎(7.6%)の比率が高くなる.今後,社会の高齢化に伴う難治性ネフローゼ症候群が課題となる.
©Nankodo Co., Ltd., 2013