新しい局面を迎えた肺癌診療
肺癌検診の歩みと今後の展望
金子 公一
1
1埼玉医大国際医療センター 呼吸器外科
キーワード:
胸部X線診断
,
集団検診
,
肺腫瘍
,
放射線量
,
診療ガイドライン
,
地方自治体
,
ランダム化比較試験
,
精度管理
,
保健医療格差
,
腫瘍の早期診断
,
胸部CT
,
受診率
Keyword:
Mass Screening
,
Lung Neoplasms
,
Local Government
,
Radiation Dosage
,
Radiography, Thoracic
,
Randomized Controlled Trials as Topic
,
Practice Guidelines as Topic
,
Healthcare Disparities
,
Early Detection of Cancer
pp.699-704
発行日 2012年11月1日
Published Date 2012/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2013010632
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・肺癌検診の有効性評価は、欧米では無作為化比較試験の結果から否定的見解であるが、わが国では結核検診の実績もあり、症例対照研究の詳細な検討から肯定的見解である。・わが国の肺癌検診ガイドラインでは、二重読影、比較読影などの適切な条件を確保した検診であれば死亡率減少効果が認められるとされている。・肺癌検診の学問的側面は発展しているが現在のわが国での検診は市区町村が主体であり、現場の地域差が大きく、受診率も低迷している。・低線量CTによる肺癌検診の無作為化比較試験では、高危険群で死亡率減少効果を認めている。しかし検診現場への導入には多くの課題がある。
©Nankodo Co., Ltd., 2012