大腸癌の最新事情-防止・治癒を目指して
《スクリーニングの戦略》便潜血検査による対策型大腸がん検診
松田 一夫
1
1福井県健康管理協会・県民健康センター
キーワード:
大腸内視鏡法
,
集団検診
,
潜血反応
,
大腸腫瘍
,
検便
,
腫瘍の早期診断
,
受診率
,
精密検査
Keyword:
Colonoscopy
,
Mass Screening
,
Occult Blood
,
Colorectal Neoplasms
,
Early Detection of Cancer
pp.772-775
発行日 2011年11月1日
Published Date 2011/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2012028849
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●便潜血検査を用いた大腸がん検診には死亡率減少化を示す十分な証拠があり、対策型検診・任意型検診ともに強く推奨される。●現行の対策型大腸がん検診の問題点は、精検受診率が63.2%(2009年)と低く、要精検率の地域格差が大きく、受診率(2010年)が男女とも30%に満たないことであり早急に改善が必要である。●便潜血検査免疫法の繰り返し検診によっても発見できない中間期癌が20%存在し、右側結腸に多いが、中間期癌の予後は検診未受診群よりも良好であり過度の不安視は無用である。●今後、右側結腸の感度も高いスクリーニング検査の開発や「全大腸内視鏡検査による大腸がん検診のRCTによる有効性評価」の結果が待たれる。
©Nankodo Co., Ltd., 2011