腫瘍内科診療データファイル
悪性腫瘍(がん)診療を取り巻く環境を知る がん検診の現状
富永 祐民
1
1愛知県がんセンター
キーワード:
胃腫瘍
,
子宮腫瘍
,
死亡率
,
集団検診
,
大腸腫瘍
,
乳房腫瘍
,
肺腫瘍
,
精度管理
,
受診率
Keyword:
Breast Neoplasms
,
Mass Screening
,
Lung Neoplasms
,
Mortality
,
Stomach Neoplasms
,
Uterine Neoplasms
,
Colorectal Neoplasms
pp.1015-1020
発行日 2007年12月1日
Published Date 2007/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2008061387
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わが国では、古くから全国的にがん検診が行われてきているが、がん検診の受診率は全国的にみると依然10~20%程度にとどまっている。がん検診の目的は定期的にがん検診を受診することにより、がんを早期に発見し、根治療法を受けて、がんで死なないように(がん死亡を予防)することである。がん検診の死亡率低下効果を高めるためには、がん検診受診率を大幅に上昇させること、精度の高い(とくに発見感度が高く、偽陽性率が低い)がん検診法を開発し、普及する必要がある。がん検診のさらなる普及により、5部位(胃、大腸、肺、乳房、子宮)のがん検診の受診率がすべて30%(50%)に達した場合には、全がん死亡の約9%(約15%)の予防が可能と推計された。
©Nankodo Co., Ltd., 2007