発行日 2012年9月1日
Published Date 2012/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2012364675
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46歳女。4年前の健診で尿糖を指摘されていたが放置していた。翌年に糖尿病と診断され、神経障害、網膜症(ScottIIa)の合併症を認め、血糖のコントロールは良好であった。今回、発熱、寝汗、右側上腕部疼痛が出現し、NSAIDsを内服するが軽快せず、著明な赤沈亢進を認めたため精査入院となった。下肢深部反射低下、著明な炎症反応、FPGとHbA1の高値、肝腎機能や筋由来酵素は正常、リウマトイド因子と抗核抗体は陰性、フィブリノーゲン値、シアル酸およびIgG、IgAの高値を認めた。細菌培養・上下内視鏡・Gaシンチ・心臓超音波検査および腹部エコー・造影CT検査に異常所見は認めなかった。血糖コントロールに対してインスリンを注射し、各種抗生物質投与を行うも発熱は続き、入院5日目には両側上腕部から肩、首の疼痛が出現した。以上から、リウマチ性多発筋痛症(PMR)と診断した。プレドニソロン投与を開始し、症状は急速に軽快し、炎症反応も徐々に正常化した。
©Nankodo Co., Ltd., 2012