発行日 2010年3月1日
Published Date 2010/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2010155706
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発症時より経過観察可能であった高齢発症関節リウマチ(高齢RA)患者12例(男1例・女11例)について、臨床症状、検査所見および治療成績を検討した。発症時の特徴的症状として、急性発症、発熱、全身倦怠感、両側上腕部の疼痛、手背や下腿から足背の浮腫を認めた。リウマチ性多発筋痛症(PMR)の診断基準7項目に注目し、両側大腿部筋痛、食欲減退・体重減少、発熱、全身倦怠感、量上腕部筋痛の5項目中2項目以上の症状を有した症例をPMR症状(+)としたところ、12例中6例が該当した。発症時の検査所見はESR値は31~100と著しく亢進し、CRPは11例、リトマトイド因子は7例、抗CCP抗体は7例が陽性で、MMP-3は測定した9例中7例が基準値以上の高値を示した。薬物治療による有害事象は特に認めなかった。治療成績は治療開始時と最終経過観察時のdisease activity score 28の変化で評価したが、2例で計算できなかったため、残り10例について欧州リウマチ学会の改善基準を検討したところ、6例がgood response、4例がmoderate responseで、半数以上が治療によく反応した。PMR症状(+)群と(-)群を比較したところ、(+)群では年齢が高く、大関節罹患例、浮腫例が多く、RF陽性率、抗CCP抗体陽性率が低く、EULARのgood response例が多かった。
©Nankodo Co., Ltd., 2010