発行日 2011年3月1日
Published Date 2011/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2011143734
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68歳女。後頸部痛が出現・増強し、近医で局所腫脹、熱感・圧痛、CRP上昇、MRIで棘突起間とその周囲、項靱帯と筋膜周囲に高信号域を認め、感染を疑い頸椎外固定、抗菌薬投与を受けたが改善しなかった。当科初診時、MRIのT1強調画像でC4/C5の棘突起間から項靱帯周囲に低信号域を認め、ガドリニウムにより強く造影され、炎症性変化と考えられた。また、入院中に腰痛の訴えがあり、撮像したMRIのT2強調脂肪抑制像で棘突起周囲の高信号域を認めた。C4/C5棘突起間を針穿刺し採取した標本を細菌培養へ提出し、更に細菌感染以外と感染性動脈瘤を疑い血液培養と心エコーでの弁膜疣贅の検査、クォンティフェロンを行った。しかし、細菌培養、血液培養、クォンティフェロンは陰性で、心エコーでは弁膜疣贅を認めなかった。Cervical interspinous bursitisを伴ったリウマチ性多発筋痛症を疑い、プレドニゾロン投与を開始したところ、1週間程度で症状は消失し、CRPも正常化した。開始後約3ヵ月のMRIでは炎症性変化の消失を認めた。
©Nankodo Co., Ltd., 2011