高血圧診療の最前線 最新の戦略と今後の動向
高血圧診療の将来展望 これからの高血圧治療
谷山 義明
1
,
森下 竜一
1大阪大学 大学院医学系研究科・臨床遺伝子治療学
キーワード:
Antisense DNA
,
遺伝子導入
,
遺伝学的治療
,
高血圧
,
動脈硬化症
Keyword:
Arteriosclerosis
,
Hypertension
,
Genetic Therapy
,
DNA, Antisense
,
Gene Transfer Techniques
pp.477-480
発行日 2010年3月1日
Published Date 2010/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2010124052
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現在の高血圧治療は、さまざまな薬剤において良好な効果が証明されているが、将来の高血圧治療としていくつかの可能性が現在検討されている。(1)アンジオテンシンの抗体を誘発するワクチンの開発、(2)adrenomedullinやNOなどの遺伝子を導入する遺伝子治療、(3)アンチセンスを用いたRASなどを抑制する遺伝子治療、(4)高血圧の合併症としての動脈硬化性疾患(心筋梗塞、末梢血管疾患)への細胞治療、(5)同じく動脈硬化性疾患への遺伝子治療が研究されている。根本治療としての(1)~(3)については、いまだ可能性の域をでていないが、合併症の治療としては骨髄や末梢血の単核球を虚血部位に投与する治療法が施行されているほか、一部の遺伝子治療でも良好な臨床結果が報告されている。
©Nankodo Co., Ltd., 2010