血栓症診療update-新規経口抗凝固薬を加えて広がる世界
《近未来に使用可能となるかもしれない抗血栓薬》TAFI阻害薬
浦野 哲盟
1
1浜松医科大学 医生理学
キーワード:
Lysine
,
Plasminogen
,
抗血栓剤
,
Carboxypeptidase U
Keyword:
Fibrinolytic Agents
,
Lysine
,
Plasminogen
,
Carboxypeptidase B2
pp.83-86
発行日 2012年7月1日
Published Date 2012/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2012271446
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・プラスミノーゲンはリジン結合部位を介してフィブリンのC末端リジンに結合してtPAと3者複合体を形成する。その際、高次構造が変化して活性化されやすくなる。・生じたプラスミンはフィブリン等の基質タンパクのリジンあるいはアルギニン残基のC末端側ペプチド結合を切断し、新たなC末端リジンを露出させて線溶活性発現を増幅する。・TAFIはトロンボモジュリン結合トロンビンにより活性化され、フィブリン上あるいは細胞表面蛋白のC末端リジンあるいはアルギニン残基を除去し線溶活性発現を阻害する。・TAFI阻害薬はTAFIa活性を阻害してフィブリン上のC末端リジンを温存し、効率的な線溶活性発現に寄与することが期待される。
©Nankodo Co., Ltd., 2012