血栓症診療update-新規経口抗凝固薬を加えて広がる世界
《近未来に使用可能となるかもしれない抗血栓薬》トロンビン受容体阻害薬
駒井 太一
1
1東海大学 医学部内科学系循環器内科学
キーワード:
QT延長症候群
,
薬物性肝障害
,
血栓症
,
出血
,
経口投与
,
臨床試験
,
血小板凝集阻害剤
,
治療成績
,
PAR-1 Receptor
,
Atopaxar
,
Vorapaxar
Keyword:
Administration, Oral
,
Clinical Trials as Topic
,
Hemorrhage
,
Long QT Syndrome
,
Platelet Aggregation Inhibitors
,
Thrombosis
,
Treatment Outcome
,
Receptor, PAR-1
,
Chemical and Drug Induced Liver Injury
,
Vorapaxar
,
E 5555
pp.74-78
発行日 2012年7月1日
Published Date 2012/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2012271444
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・血小板間のpositive feedbackや血小板と凝固系間のpositive feedbackにより動脈血栓は産生され動脈閉塞を引き起こすのであるが、この二つのpositive feedbackにおいてトロンビンは重要なメディエイターとなっている。・トロンビン受容体として、ヒト血小板にはPAR1とPAR4が発現しているが、PAR1がトロンビンに対する主要な血小板活性化受容体である。・臨床試験されているトロンビン受容体阻害薬はPAR1阻害薬である、atopaxarとvorapaxarがある。重篤な出血の合併症を増加させることなく動脈血栓症を抑制する可能性がphase II試験では示唆されたが、急性冠症候群、アテローム血栓症を対象としたphase III試験にて重篤な出血合併症の増加が示された。
©Nankodo Co., Ltd., 2012