発行日 2012年5月1日
Published Date 2012/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2012264966
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74歳女。69歳から気管支喘息で加療中であった。今回、心窩部痛が出現、空腹時に増悪するため胃十二指腸潰瘍が疑われ、H2ブロッカーを服用したが疼痛は増悪した。上部消化管内視鏡では、上十二指腸角~下行脚の発赤を認めたため、十二指腸炎と診断し、PPIに変更したが、改善しないため入院となった。心窩部に圧痛、両側足底部にジンジンとした異常感覚を認めた。WBCと好酸球数の増加、リウマトイド因子陽性とIgEの上昇を認めたが、MPO-ANCAは陰性であった。また、腓腹神経軸索障害を認めた。胸部X線では、両側下肺野に網状の浸潤陰影を、CTでは多発性浸潤陰影を認め、上部消化管内視鏡では、上十二指腸角から下行脚に多発性斑状発赤を認めた。同部位生検より、十二指腸粘膜層に好酸球を主体とした炎症細胞の浸潤を認めたため、Churg-Strauss症候群(CSS)と診断した。Prednisolone 40mg/day投与の開始で心窩部痛は劇的に軽減し、好酸球数も正常値となり十二指腸所見も治癒を認めた。Prednisoloneの漸減後も再燃は認めていない。足底の痺れは軽減したが、その後も残存した。
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