診療controversy medical decision makingのために 門脈腫瘍塞栓のある肝細胞癌の治療
sorafenibの立場から
金井 文彦
1
,
小笠原 定久
,
大岡 美彦
,
横須賀 收
1千葉大学 大学院医学研究院腫瘍内科学
キーワード:
肝細胞癌
,
門脈
,
流血中腫瘍細胞
,
治療成績
,
Sorafenib
Keyword:
Carcinoma, Hepatocellular
,
Neoplastic Cells, Circulating
,
Portal Vein
,
Treatment Outcome
,
Sorafenib
pp.311-315
発行日 2012年8月1日
Published Date 2012/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2012299761
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sorafenibが切除不能HCCに対して本邦で使用され始めて3年余りが経過した。実地医家は副作用対策にも慣れてきたところであろう。PVTTのあるHCCの予後はきわめて不良であるが、海外からの報告ではこのような症例にも一定の有効性が報告されている。一方、わが国で進歩を遂げてきた動注化学療法であるが、PVTTに対しても劇的に効く症例を経験する。PVTTを有するHCC症例にsorafenibがよいのか、動注がよいのか、エビデンスはない。現時点ではこのような症例にsorafenibと動注をいかに使ってゆくか、また併用療法の可能性について検討すべき課題である。
©Nankodo Co., Ltd., 2012