発行日 2011年9月1日
Published Date 2011/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2011345506
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62歳女。1年ほど前から労作時息切れを自覚していた。今回、連日眼前暗黒感が生じるようになった。近医にて2:1房室ブロックを診断され、当院紹介となった。モニター心電図において高度房室ブロックを呈していたため、恒久的ペースメーカー埋込み術が施行された。術後経過は良好で退院となったが、再び眼前暗黒感を自覚し、心電図で心室ペーシング不全に伴うR-R間隔延長が認められた。さらに複数回の失神を呈した。テレメトリー記録では頻回の房室ブロックイベントとともに心室ペーシングの増加傾向を認められ、DDDモード作動がほぼ100%となっており、完全房室ブロックへの進展が示唆された。SafeRモードが適さないと判断しSafeRモードを中止した。中止後はめまい症状の頻度は減少したが、その後もめまい、失神症状が持続した。また、心室センシング値・ペーシング閾値の経時的な悪化傾向がみられ、心室リードによる心房波感知イベントも散見された。X線では心室リードの移動は認めないが、微小脱落していると判断して心室リード再貯留術を施行し、DDDモード設定とした。約1年経過して現在までめまい、失神もなく順調である。
©Nankodo Co., Ltd., 2011