気管支喘息包囲網-喘息死ゼロへ向けた最後の10年へ
気管支喘息治療中の問題となる点と対策 妊娠と喘息
谷口 正実
1
,
関谷 潔史
,
福冨 友馬
,
美濃口 健治
,
粒来 崇博
,
高橋 健太郎
,
三井 千尋
,
谷本 英則
1国立病院機構相模原病院 臨床研究センター
キーワード:
Steroids
,
Adrenergic Beta-Agonists
,
酸素飽和度測定
,
喘息
,
多剤併用療法
,
妊娠合併症
,
吸入投与
,
禁煙
,
重症度指標
Keyword:
Administration, Inhalation
,
Adrenergic beta-Agonists
,
Asthma
,
Drug Therapy, Combination
,
Oximetry
,
Pregnancy Complications
,
Steroids
,
Severity of Illness Index
,
Smoking Cessation
pp.445-450
発行日 2011年9月1日
Published Date 2011/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2011320543
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●妊娠による喘息の変化は、悪化、不変、改善がほぼ同頻度であるが、もともとの喘息が重症なほど悪化しやすい。●安定喘息や抗喘息薬は、早産、子癇、低出生体重、奇形、周生期死亡のリスクをほとんど高めない。●しかし妊娠初期の発作受診や、高用量ICS使用例、内服ステロイド使用例では低出生体重や奇形のリスクを1.5倍程度上げる報告がある。●妊婦喘息では、禁煙とICS継続による十分な喘息安定化がもっとも大切である。●長期管理薬では吸入薬を主に選択する。すなわちICSを必須とし、中等症以上では吸入LABA併用を考慮する。テオフィリンやLTRA、さらに経口や貼付のβ刺激薬は併用可能であるが、それらの位置づけはやや低い。●急性増悪時には、低酸素回避、すなわち酸素飽和度を95%以上保持するよう迅速な対応が重要である。全身ステロイドはprednisoloneを選択し1日60mgまで躊躇せず使用してよい。またadrenalineはなるべく用いない。
©Nankodo Co., Ltd., 2011