発行日 2011年7月1日
Published Date 2011/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2011306526
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16歳男。新生児黄疸と診断され、その際にsepto-optic-pituitary dysplasia(SOD)と診断され、levothyroxineとhydrocortisoneの補充開始となったが、数ヵ月服用したのみで中断していた。12歳時に下垂体性小人症の診断にて成長ホルモン(GH)補充療法を受けていたが、身長のわりに陰茎が発達したとして母親の判断で中止していた。今回、食欲不振、40℃の発熱で近医を受診し、副腎不全と診断されプレドニソロンを開始され症状は改善した。さらなる内分泌的精査加療目的で当科紹介入院となった。身長155cm(-2.6SD)、体重40.5kg、骨年齢は15.4歳、T-score-2.09、0.800g/cm2であった。頭部MRI検査にて、視神経低形成と視床下部性下垂体機能異常を認められるが、下垂体のわずかな低形成を認めるものの脳梁および透明中隔は正常に形成されており、SOD不完全型と考えられた。prednisoloneをhydrocortisoneに変更し、ACTHは低値であったがコルチゾールは十分量で、甲状腺機能はlevothyroxine内服継続で、FT4は正常範囲内を推移していた。rapid-ACTH試験ではコルチゾールは低反応で、続発性副腎機能低下症が考えられた。GRH+CRH+TRH負荷試験においてもGHとコルチゾールは低反応、CHRP-2負荷試験ではGHの反応は認めなかった。GH補充療法を導入後IGF-1は上昇し、徐々に身長も増加して-1.2SDまで成長している。
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