発行日 2011年7月1日
Published Date 2011/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2011306525
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53歳男。7年前より脂質異常症の既往がある。以前より後頭部痛があり、今回後頭部が圧迫される頭痛と嘔気が出現したため、市販薬を内服するも改善しないため、1週間後に脳神経外科を受診した。腰椎穿刺、MRI(FLAIR画像)、MRAを行われたが原因不明で、片頭痛治療薬等も処方されたが頭痛は改善せず、軽度意識障害を家族に指摘されたため当院内科総合診療科を紹介された。意識はJCSI-1であったが、脳神経系、運動系、感覚系、反射系に異常はなく、髄膜刺激症状も認めなかった。入院後、家族と会話中に突然意識混濁を認めたため、緊急に頭部MRI(FLAIR画像)を施行した。右側頭部に三日月状の低信号域、右側脳室の変形と左方偏位を認め、慢性硬膜下血腫と診断し、緊急穿頭血腫除去術を施行した。術後、意識レベルは改善し、神経異常もなく、術後7日目に退院した。
©Nankodo Co., Ltd., 2011