発行日 2011年3月1日
Published Date 2011/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2011143667
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85歳女。貧血を指摘されていた。貧血が増悪し、骨髄穿刺検査にて骨髄異形成症候群が疑われた。蛋白同化ステロイド投与が開始されたが無効であった。鉄剤投与にて貧血の改善が認められたこともあり、骨髄異形成症候群の診断に疑いがもたれ、貧血の原因精査のため紹介入院となった。上部消化管内視鏡検査にて多発性の毛細血管拡張を認めた。生検を施行したところ、粘膜固有層で拡張した静脈を確認した。鼻腔にも同様の所見を認め、また長女の鼻粘膜にも同様の毛細血管拡張を確認したため、Rendu-Osler-Weber病と診断した。鼻出血のたびに貧血が増悪し、輸血を要した。貧血の進行が速くなり、輸血の頻度が増加した。上部消化管内視鏡検査を施行したところ、胃の毛細血管拡張部分からの出血を確認し、アルゴンプラズマ凝固法にて出血部分のみ焼灼した。それ以後の上部消化管内視鏡検査は拒否された。脳梗塞にて死亡した。
©Nankodo Co., Ltd., 2011