発行日 2012年9月1日
Published Date 2012/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2013004071
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症例は36歳男性で、幼少時から習慣性鼻出血があり、職場検診で指摘された胸部異常影の精査のため受診した。身体所見では口唇に多発する血管拡張性病変が認められた。胸部造影3D-CTで左肺S4a末梢に、流入動脈をA4(径4mm)、流出静脈をV4(径3mm)とする長径21mm大の肺動静脈瘻が認められた。腹部造影CTでは多発肝動静脈瘻を、頭部CTで海綿状血管腫を認め、Rendu-Osler-Weber病と診断された。無症状であったが患者の父と叔母(父の妹)に肺動静脈瘻および脳梗塞の既往があり、脳梗塞発症の危険性が高いと考え、根治術を施行した。左肺舌区末梢に拍動性の病変を認め、楔状部分切除により切除した。病理組織所見で、瘻に一致して血管腔の嚢胞状の拡張を認め、不規則な血管壁には平滑筋増生部と菲薄化部が混在していた。肥厚部に不整な弾性線維を認めたが、菲薄化部には不明瞭な部分もあり、肺動静脈瘻と病理診断した。術後経過に問題はなく、第8病日に退院した。
©Nankodo Co., Ltd., 2012