発行日 2009年2月1日
Published Date 2009/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2009125156
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35歳女。約3年4ヵ月前のミャンマー在住時に上肢脱力感の自覚で低カリウム血症を指摘され、カリウム製剤を不定期内服していた。留学来日の時期に上肢脱力感が出現したため、精査加療目的で入院した。代謝性アシドーシス、尿pHの高値で酸性化障害を認めた。腹部CTおよび超音波で、腎盂・腎杯に小石灰像を認め、遠位尿細管性アシドーシスによる低カリウム血症と判断した。リウマトイド因子の高値、抗核抗体陽性および抗SS-A、SS-B抗体の陽性、Saxon testでは小唾液量を認め、唾液腺造影で唾液排泄機能低下、口唇腺生検で導管周囲にリンパ球浸潤を多数認めた。さらに1年余前より口渇感、皮膚乾燥感を認めており、遠位尿細管性アシドーシスを合併したSjoegren症候群と診断した。腎病変は軽度で進行も緩徐のため、ステロイド治療ではなく重曹(4g/day)およびカリウム製剤(48mEq/day)投与での対症療法を行った。
©Nankodo Co., Ltd., 2009