発行日 2011年2月1日
Published Date 2011/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2011140426
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48歳女。6ヵ月前から更年期症状での通院中で、夜間に出現する動悸・頭痛は自然軽快していたが、数日前から増悪し、呼吸苦も出現し、SPO2が70%まで低下し救急搬送された。血圧低下、ショック状態となり気管内挿管、心肺蘇生を行った。腹部CTで左副腎腫瘤、血中・尿中カテコラミンの上昇を認めた。MRIでは左副腎にT2強調像で著しい高信号の腫瘍を認め、131I-MIBGシンチグラフィーでは集積を認め、発作型褐色細胞腫と診断した。ACTH基礎値は低値、コルチゾールは正常範囲内であり、プレクリニカルクッシング症候群を合併した褐色細胞腫と診断し、内視鏡下小切開副腎腫瘍摘出術を施行した。病理所見より、壊死を伴った褐色細胞腫と副腎皮質の一部に過形成を認めた。免疫染色では褐色細胞はchromogranin A、synaptophysin、CD56で染色され、副腎皮質過形成を伴った褐色細胞腫と診断した。
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