発行日 2005年3月1日
Published Date 2005/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2005130159
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38歳男.21歳頃よりシンナー吸引歴があり,13年前と7年前に低K血症に伴う脱力発作で入院していた.1週間ほど前に水様性下痢と全身倦怠感が出現し,歩行困難となり受診した.本人は最近のシンナー吸引を否定したが,建設現場でマスクをせずに塗装業者と入り乱れて仕事をしていた.基礎疾患のない四肢筋力低下を伴った低K血症,アニオンギャップ正常な高Cl性代謝性アシドーシス,重炭酸イオン負荷試験での重炭酸排泄率低値などの所見からトルエン長期曝露による遠位型尿細管性アシドーシスと診断した.大量補液とK補正および重曹投与を行ったところ血清K値は徐々に回復し,第3病日には独歩可能となった
©Nankodo Co., Ltd., 2005