甲状腺疾患 日常診療のTips and Essence
小児へのpropylthiouracilの使用について
原田 正平
1
1国立成育医療研究センター 成育政策科学研究部成育医療政策科学研究室
キーワード:
Propylthiouracil
,
薬物性肝障害
,
Graves病
,
小児
,
アメリカ食品医薬品局
Keyword:
Child
,
Graves Disease
,
Propylthiouracil
,
United States Food and Drug Administration
,
Chemical and Drug Induced Liver Injury
pp.119-121
発行日 2011年1月1日
Published Date 2011/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2011078933
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
・米国において2009年4月に、propylthiouracil(PTU)による肝不全が小児に過剰発生しており、PTUの小児バセドウ病への使用を制限すべきことが報告された。・米国食品医薬品局は、2010年4月、PTUの添付文書に肝障害に関する枠組み警告を載せ、特定の条件以外での使用を事実上「禁忌」とした。・日本ではthiamazole(MMI)が第一選択薬であり、PTUによる重篤肝障害例の過剰発生は問題となっていない。しかし、症例報告が散見されることから、日本甲状腺学会は小児例へのPTU使用をできるだけ避けるよう勧告している。今後、全国調査により実態が明らかにされることが期待される。
©Nankodo Co., Ltd., 2011