発行日 2002年11月1日
Published Date 2002/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2003116862
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63歳女性.難治性多発性肝膿瘍に間欠的動注化学療法が著効した1例を経験した.閉塞性黄疸で入院した.PTBD施行後に造影CTで膵頭部癌と診断して膵頭十二指腸切除術を施行し,肝表面に多発肝転移を認めた.術後第20病日から38℃以上の高熱が出現し,CTおよび超音波検査で内側区域の肝膿瘍と診断して,経皮経肝肝膿瘍ドレナージ(PTAD)を施行し軽快したが,第36病日から再度高熱が出現し,後区域の肝膿瘍と診断してPTADを再施行し解熱・軽快した.しかし,第48病日からまた高熱が出現し,造影CTでは前区域に多発性肝膿瘍が認められ,全身化学療法を施行したが改善せず,第60病日に腹腔動脈内に動注用カテーテルを挿入し,リザーバーに接続して間欠的動注化学療法を行った.施行後急速に解熱,自他覚症状の改善,CRPも著明に低下し,術後94日目に軽快退院した.動注化学療法は肝膿瘍に対する効果的な治療法であると考えられた
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