糖尿病診療の新時代 2010年代の展望
知らぬと損する検査方法 血糖日内変動と食後高血糖 未知なるブラックボックス
山内 俊一
1
1帝京大学 医学部
キーワード:
サーカディアンリズム
,
Glucose
,
血糖
,
高血糖症
,
赤外線
,
糖尿病
,
食後
,
測定機器
Keyword:
Blood Glucose
,
Circadian Rhythm
,
Diabetes Mellitus
,
Hyperglycemia
,
Glucose
,
Infrared Rays
,
Postprandial Period
pp.33-38
発行日 2010年1月1日
Published Date 2010/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2010082271
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連続皮下グルコース濃度測定器(CGMS)により、血糖は健常人ですら想像されていた以上に変動が激しく、日差変動も大きいことが判明した。血糖値は瞬間風速値にすぎない。健常人では、しかし、この血糖変動は一定の制御下にあることが示唆される。一方で、糖尿病は血糖が高いのみならず、血糖制御が不能となった状況と考えられる。この激しい血糖変動や食後高血糖を的確に捉えることができる血糖コントロール指標は、1,5AG(米国ではGlycoMark)のみである。実際、HbA1cやグリコアルブミンでは、食後高血糖改善薬の有効性は十分には判明しない。食後高血糖が、全体的な高血糖とは独立した糖尿病合併症の危険因子となることのエビデンスは、急速に蓄積されつつある。
©Nankodo Co., Ltd., 2010