肝癌撲滅最前線
診断 Fibroscanによる高危険群設定
増崎 亮太
1
,
建石 良介
,
杉岡 陽介
,
池田 均
,
吉田 晴彦
,
小俣 政男
1東京大学 消化器内科
キーワード:
肝炎-B型
,
肝炎-C型
,
肝細胞癌
,
超音波診断
,
リスク
,
前向き研究
,
肝線維症
Keyword:
Hepatitis B
,
Hepatitis C
,
Carcinoma, Hepatocellular
,
Liver Cirrhosis
,
Risk
,
Prospective Studies
,
Ultrasonography
pp.626-630
発行日 2009年10月1日
Published Date 2009/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2009341880
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肝線維化ステージの評価は、肝発癌高危険群の囲い込みにもっとも重要である。Fibroscanは超音波と振動波で肝弾性を測定する機械で、得られた弾性値は線維化ステージと良好に相関することが知られている。C型肝炎患者の弾性値別の3年累積発癌率は、10kPa以下と10.1~15kPa、15.1~20kPa、20.1~25kPa、25kPa以上で、それぞれ0.4%、11.7%、19.2%、25.2%、38.5%であり、弾性値の上昇とともに発癌率の上昇を認めた。また、一見すると肝発癌低リスクと思われる症例においても弾性値が高値である患者は、発癌の可能性を念頭に置いて注意して患者をみていく必要がある。
©Nankodo Co., Ltd., 2009