骨粗鬆症診療の進歩 骨折の予防と克服をめざして
骨粗鬆症原因遺伝子探索の現状と展望
浦野 友彦
1
,
井上 聡
1東京大学医学部附属病院22世紀医療センター 抗加齢医学講座
キーワード:
骨粗鬆症
,
骨密度
,
変異
,
ハプロタイプ
,
SNPs
,
ゲノムワイド関連解析
,
LDL-Receptor Related Protein 5
Keyword:
Haplotypes
,
Mutation
,
Osteoporosis
,
Bone Density
,
Polymorphism, Single Nucleotide
,
Genome-Wide Association Study
,
Low Density Lipoprotein Receptor-Related Protein-5
pp.511-515
発行日 2009年9月1日
Published Date 2009/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2009305752
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骨粗鬆症の発症は骨密度と骨質により規定され、骨密度の50%以上は遺伝的素因によって規定される。筆者らを含む複数のグループは、LRP5遺伝子に存在するアミノ酸変異を伴う遺伝子多型(A1330V)が骨密度、骨折さらには骨粗鬆症の発症を規定することを報告し、その重要性を明らかにしてきた。近年では、DNAチップを用いたゲノムワイド相関解析により骨粗鬆症感受性遺伝子多型が明らかにされているが、その一つにLRP5遺伝子A1330V多型が含まれていた。ゲノムレベルでの骨粗鬆症原因遺伝子の同定は、テクノロジーの進歩に伴い急速に発展しており、骨粗鬆症の新規診断マーカーや新規治療標的の同定へと発展する可能性を有している。
©Nankodo Co., Ltd., 2009