骨粗鬆症-新たなる骨折を防ぐ最新の治療戦略
骨粗鬆症の病態と転帰 病態、バイオメカニクス、骨折危険因子 Wnt共役受容体である低密度リポ蛋白質受容体関連蛋白質5(Lrp5)はメカニカルストレスによる骨形成において必須である
澤上 公彦
1
,
Robling Alexander G
,
Warman Matthew L.
,
Turner Charles H.
,
遠藤 直人
1新潟市民病院 整形外科
キーワード:
メカニカルストレス
,
危険因子
,
骨形成
,
骨折
,
骨粗鬆症
,
疾患モデル(動物)
,
LDL Receptors
,
Lipoprotein Receptors
,
LDL-Receptor Related Protein 5
,
骨折-骨粗鬆症性
Keyword:
Disease Models, Animal
,
Osteogenesis
,
Osteoporosis
,
Risk Factors
,
Receptors, LDL
,
Stress, Mechanical
,
Receptors, Lipoprotein
,
Fractures, Bone
,
Osteoporotic Fractures
,
Low Density Lipoprotein Receptor-Related Protein-5
pp.2-8
発行日 2011年10月20日
Published Date 2011/10/20
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2012139384
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低密度リポタンパク質受容体関連タンパク質5(Lrp5)のメカニカルストレスによる骨形成への関与について、Lrp5欠損マウスを用いて検討した。骨量の解析では欠損型(OPPG)が野生型(WT)およびヘテロ型に比較して有意に低値で、頭蓋骨よりも脊椎、大腿骨で大きく低下しており、Lrp5とメカニカルストレスとの関連性が示唆された。構造・力学特性では大腿骨骨幹部の断面二次モーメント、L5海綿骨の骨量、力学強度がOPPGで低下しており、骨梁の形状はプレート様からロッド様に変化していた。in vivo ulna loadingモデルによる骨形成能評価では、OPPGにおいて骨形成抑制を認めたが、副甲状腺ホルモンの投与による影響はなかった。in vitroでは、メカニカルストレスによる早期反応性分子の発現においてOPPGはWTとの間に有意差を認めず、晩期マーカーにおいて有意な低下を認め、Lrp5がmechanotransductionにおける下流域で作用している可能性が示唆された。
©Nankodo Co., Ltd., 2011