B型肝炎-根絶に向けて
B型肝炎の疫学と病態 B型肝炎における疾患感受性遺伝子
加藤 直也
1
,
室山 良介
,
後藤 覚
,
中川 良
,
松原 康朗
1東京大学医科学研究所 先端ゲノム医学分野
キーワード:
Ferredoxins
,
肝炎-B型
,
肝細胞癌
,
HLA-DQ抗原
,
肝炎-B型-慢性
,
SNPs
,
遺伝的素因(疾患)
,
STAT4転写因子
,
ゲノムワイド関連解析
,
KIF1B Protein
,
持続感染
Keyword:
Ferredoxins
,
Hepatitis B
,
Carcinoma, Hepatocellular
,
HLA-DQ Antigens
,
Hepatitis B, Chronic
,
Polymorphism, Single Nucleotide
,
Genetic Predisposition to Disease
,
STAT4 Transcription Factor
,
Genome-Wide Association Study
,
KIF1B Protein, Human
pp.281-285
発行日 2016年2月20日
Published Date 2016/2/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2016206708
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B型肝炎領域において,ゲノムワイド関連解析(GWAS)による疾患感受性遺伝子の同定が行われている.今までに報告されているものは,(1)B型肝炎ウイルス(HBV)感染の慢性化に関連する遺伝子,(2)肝癌に関連する遺伝子,(3)HBVワクチンの効果に関連する遺伝子,である.興味深いことにB型肝炎と関連する遺伝因子の大半がHLA領域の多型である.B型肝炎の病態に,免疫が深く関与していることがわかる.B型肝炎における疾患感受性遺伝子情報は,今後,肝病態進展の個人差の解明,肝発癌リスクの算定,オーダーメイド治療を含む新たな治療法の開発や確立につながっていくものと期待される.
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