骨粗鬆症診療の進歩 骨折の予防と克服をめざして
骨粗鬆症はどのようにして診断するのか? 骨代謝マーカーの使い方
三木 隆己
1
,
山川 義宏
1大阪市立大学医学部附属病院 老年科・神経内科
キーワード:
生物学的マーカー
,
骨粗鬆症
,
骨組織リモデリング
,
治療成績
,
保険適用範囲
,
骨密度維持剤
Keyword:
Osteoporosis
,
Biomarkers
,
Treatment Outcome
,
Bone Remodeling
,
Insurance Coverage
,
Bone Density Conservation Agents
pp.441-446
発行日 2009年9月1日
Published Date 2009/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2009305738
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
骨代謝マーカーには、骨吸収マーカーと骨形成マーカーがあり、骨粗鬆症の病態診断、治療方針の決定、治療の効果判定に役立つ。治療の脱落防止にも期待されている。骨粗鬆症の診断には、マーカーの測定が健康保険で認められていない。測定の価値があるのは、(1)治療開始の判断に迷う場合、(2)本格的な骨吸収抑制薬を使うかどうかの判断、(3)患者に治療の必要性を理解させる場合である。マーカー測定により、治療の有効性を明らかにできるのは骨吸収抑制薬である。骨吸収抑制剤による治療効果が、骨代謝マーカーの抑制で明らかにできない場合は、日内変動や食事の影響、さらに骨折発生などを考える。
©Nankodo Co., Ltd., 2009