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88歳女。汎発性帯状疱疹にて前医入院時に白血球増多がみられ、精査目的に当科紹介入院となった。検査所見はWBC 49600/μl(Seg 8.0%・Lym 86.0%・Mono 2.0%・Eos 2.0%・異型リンパ球2.0%)、RBC 348万/μl、Hb 9.9g/dl、Ht 31.8%、Plt 12.9万/μl、Ret 1.9%、AST 24IU/l、ALT 14IU/l、LDH 293IU/l、CRP 0.12mg/dlで、画像検査では軽度の脾腫以外に異常はなかった。生化学検査は異常なく、抗HTLV-1抗体は陰性で、末梢血塗抹標本では小型でN/Cの高い、核小体をもたないリンパ球が多数認められ、腫瘍細胞はCD2、3、4、5、7、25陽性で、骨髄穿刺検査では87.5%がリンパ球で占められていた。以上より、T-cell prolymphocytic leukemia(T-PLL)、small cell variantと診断した。PHA添加培養での染色体分析検査では、41,XX,add(1)(p11),der(7)t(1;7)(p13;q32),-8,i(8)(q10),-11,-13,-13,inv(14)(q11;q32),-17,-18,-21,-22,+mar1,+mar2,+mar3[9]/46,XX[12]の異常を認めた。退院の後、外来で経過観察していたが、徐々に白血球増多が進行し、病勢が進行したためfludarabineを投与した。しかし、効果は一過性で、その後も病勢は増悪し、再びfludarabineを投与したところ、白血球数は減少したが、grade 3の好中球減少、血小板減少が出現し、原因不明の間質性肺炎も併発した。その後、左中大脳動脈領域の大梗塞が出現し、永眠された。
©Nankodo Co., Ltd., 2009