発行日 2006年10月1日
Published Date 2006/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2007018864
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64歳男。覚醒しているが傾眠傾向、羽ばたき振戦を認め、軽度貧血様、黄疸、腹部膨満、波動を認めた。肝萎縮、脾腫、腹水、食道静脈瘤を認めアルコール性肝硬変と診断した。低酸素血症を認め酸素投与を必要としたため、腹水穿刺排液を繰り返し施行した。入院後肝性脳症と思われる認知障害が増悪、軽快した。第30病日頃より貧血が進行し輸血を要し、網状赤血球減少が著しく造血機能障害を疑った。第68病日の骨髄穿刺検査では異常細胞の出現も、赤芽球もほとんど認めなかった。特発性の赤芽球癆(PRCA)と診断しプレドニソロンの内服開始で貧血は改善し、第110病日に施行した骨髄穿刺検査では赤芽球数の増加が確認されプレドニソロンを徐々に漸減し7.5mg/dayを維持量とした。腹水は利尿投薬で消失したが認知障害が徐々に増悪しCTでは多発性ラクナ梗塞も認めたが、症状の固定により第184病日に療養型病院に転院した。
©Nankodo Co., Ltd., 2006