感染症の治療 抗菌薬を使いこなそう
日常的な診療における抗菌薬の使い方 エンピリックな抗菌薬の使い方と落とし穴 かぜ症候群と抗菌薬
宮良 高維
1
1近畿大学 医学部呼吸器・アレルギー内科
キーワード:
Penicillins
,
Streptococcus pyogenes
,
咽頭炎
,
ウイルス性疾患
,
かぜ
,
気道感染
,
抗感染剤
,
Streptococcus Infection
,
症例対照研究
,
Macrolides
,
診療ガイドライン
,
医薬品適正使用
,
細菌薬剤耐性
Keyword:
Anti-Infective Agents
,
Common Cold
,
Penicillins
,
Pharyngitis
,
Respiratory Tract Infections
,
Streptococcal Infections
,
Streptococcus pyogenes
,
Virus Diseases
,
Case-Control Studies
,
Practice Guidelines as Topic
,
Macrolides
,
Drug Resistance, Bacterial
pp.848-853
発行日 2008年11月1日
Published Date 2008/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2008377903
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かぜ症候群はウイルス性疾患が大半であり、本疾患に対する無制限な抗菌薬処方は、耐性菌増加のリスクを生ずる。delayed prescription(待機処方)が主に英国圏で、急性上気道感染症への抗菌薬処方を減量する試みとしていくつかの検討がある。「待機処方」の症例対照研究では、咽頭痛の症例などで症状改善が1日程度延長した報告がある。咽頭痛を主訴に受診する症例中のA群溶連菌による咽頭炎は、成人で10%程度であり、抗菌薬処方の要否決定の基準が問題となる。A群溶連菌による咽頭炎を疑う症例にはペニシリン系、同系にアレルギーがあるなどの場合にはマクロライド系の処方が望ましい。
©Nankodo Co., Ltd., 2008