感染症の治療 抗菌薬を使いこなそう
日常的な診療における抗菌薬の使い方 エンピリックな抗菌薬の使い方と落とし穴 髄膜炎の治療における抗菌薬
竹村 弘
1
1聖マリアンナ医科大学 微生物学
キーワード:
抗感染剤
,
髄膜炎
,
多剤併用療法
,
髄液
,
微生物薬物感受性試験
,
副腎皮質ホルモン
,
髄膜炎-細菌性
,
静脈内投与
,
細菌薬剤耐性
,
髄液検査
Keyword:
Adrenal Cortex Hormones
,
Cerebrospinal Fluid
,
Anti-Infective Agents
,
Drug Therapy, Combination
,
Meningitis
,
Microbial Sensitivity Tests
,
Meningitis, Bacterial
,
Drug Resistance, Bacterial
,
Administration, Intravenous
pp.864-868
発行日 2008年11月1日
Published Date 2008/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2008377906
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細菌性髄膜炎はとくに緊急性を要する重篤な疾患で、初期治療の成否が予後に大きく影響する。起炎菌が髄液検査で想定できない場合は、疫学的なデータに基づいて可能性が高い起炎菌を対象にエンピリック治療を行う(起炎菌の種類は患者年齢層によって異なる)。髄液検査で起炎菌が想定された場合は、その細菌の薬剤感受性や耐性率を考慮して治療薬を選択する。抗菌薬の髄液中への移行はよくないので、細菌性髄膜炎では他の感染症よりも1回投与量、投与回数ともに多くする必要がある。細菌性髄膜炎に対して抗菌薬と副腎皮質ステロイド薬の併用は有効であるが、副腎皮質ステロイド薬の種類、投与方法については現段階では限定的である。
©Nankodo Co., Ltd., 2008